ピクニック今昔
春が来たら、あなたと一緒にピクニックに行きたいな。アリス特製のサンドイッチを詰めたバスケットを持って行くね。あなたには飲みものの用意をお願いしてもいいかな? 果汁100%の葡萄ジュースが私のリクエスト! 本当はワインを飲んでみたいけど、まだ飲めないしね。だから葡萄ジュースをプラスチックのワイングラスに入れて乾杯しましょう!
ところでピクニックとキャンプの違いって何か知ってる? それはね、「1. 煮炊きをしない。2. 労働を課さない。3. 好きに過ごす。」なんですって。そもそも、キャンプは「訓練」、ピクニックは「社交」なの。だから、ピクニックはただひたすら楽しい時間を過ごすべきなのよね。持ち寄ったごはんやお菓子を食べてもいいし、寝転んで昼寝をしてもいいし、好きな本をゆっくり読んだりしてもいいし、ゆるーく過ごすものなの。
ピクニックの歴史について、簡単にまとめておくね。まず1802年、ロンドンでアルビナ夫人を中心とした男女混合の室内社交パーティーを行う「ピクニック・クラブ」が結成されたの。それがゴシップになって何度も新聞に載ったりしたものだから、一般の人々にも「ピクニック」という言葉が広まったんだって。それから約40年後の1844年、イギリス初の公立公園「バーゲンヘッドパーク」ができたの。今までの室内ピクニックを野外ピクニックへと変化したのは、この公園のおかげみたい。そして1850年代になると、鉄道が普及したことによって、イギリスではレジャーブームが始まって、労働者階級もレジャーを楽しむようになったんだって。郊外と都市を結ぶ列車は「ピクニック・トレイン」と呼ばれたのよ。1900年代になると、欧米の一般家庭に自動車が普及したの。そしたらもうピクニックが大流行! お皿やカトラリーを入れたバスケットを車に固定して運ぶ「ピクニック・セット」も誕生したの。
それから忘れちゃいけないのが、1989年の「汎ヨーロッパ・ピクニック」のこと。ハンガリーで大規模なピクニックが行われたの。でもね、実はこれ、東ドイツ人を西側へと亡命させるための政治集会だったの。「ピクニック」という形になったのは軽い冗談がきっかけだったらしいんだけど、すごいよね。ピクニックと国際問題が結び付くなんて。だってこれがベルリンの壁崩壊にも繋がるのだから!
じゃあ、ピクニックのお話はこんなところで。あっ、ねえねえ、ピクニックでやりたいこともちゃんと考えておいてね! 私? 私はトランプ! 風でカードが飛ばされちゃうかな?
親愛なるあなたへ
アリスより
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