ドラミちゃんの縁結び


一家に一台ロボットがいたらいいなー、なんて思ったりするよね? 私が好きなロボットは、ドラミちゃん!

リボン型の耳、チェック柄のポケット、お花のしっぽ、どれもみんな可愛い。ちなみにドラミちゃんは宇宙大学に在籍していて、大学院で文学・哲学・科学などを研究してるんだよ。すごいよね、あんなにキュートなのに実はエリート。

私はね、昔、ドラミちゃんのハンカチを持っていたんだ。大のお気に入りで、大切に大切に使っていた。いつも使うのでいっぱいお洗濯したから、だんだん色褪せちゃったけどね。

そのドラミちゃんのハンカチは、今はもうないの。

ある日、私はひとりで公園の滑り台で遊んでいた。公園にはもうひとり、ぶらんこで遊んでいる女の子がいた。時々見かけるけど、話をしたことはなかった。

その女の子がぶらんこを漕いでるのを横目で見てたらね、突然、ぶらんこから放り出されるように落ちたの! 女の子は膝を怪我して血がいっぱい出てた。

私は急いで滑り台から降りて、彼女のところに駆け寄って「大丈夫?」と言って、ガールスカウトで習った応急手当てをしてあげた。そして、ドラミちゃんのハンカチを彼女の膝に巻いた。

ドラミちゃんの絵はみるみる赤い血に染まっていったけれど、そんなことを気にしてる場合ではなかった。「大丈夫、ドラミちゃんがあの子の怪我を治してくれる」って信じてた。

後日、その女の子からお礼があった。ドラミちゃんのハンカチは汚れてしまってだめになったらしいけれど、そんな悲しみが吹き飛ぶくらい素敵なことがあった。彼女と友達になることができたの!

ドラミちゃんが私と彼女を結び付けてくれたの。ありがとう、ドラミちゃん。

これが私のドラミちゃんにまつわる思い出。またドラミちゃんが私とあなたを結び付けてくれるように、何か新しいドラミちゃんのアイテムを探してみようかな!

親愛なるあなたへ
アリスより


アリスの乙女書簡

あなたのために手紙を綴ります

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